INTRODUCTION
イントロダクション

野田秀樹 9年ぶりの英語版最新作!
『One Green Bottle』世界初演!!
『THE BEE』で日本のみならず世界10か国巡演し、演劇ファ
ンを熱狂させた3人が、再び世界を魅了する!
十八代目中村勘三郎と野田秀樹が夫婦を演じて話題を呼んだ『
表に出ろいっ!』を基に、日英最高峰のキャスト・スタッフが
集結。
ロンドンで幾度のワークショップを経て、ついに!この秋!満
を持して!全くもって新しい英語作品『One Green Bottle』が誕生!!
さらに!大竹しのぶと阿部サダヲが、日本語吹替えキャストと
して参戦、
超豪華でスペシャルな『One Green Bottle』世界
初演をその目で目撃せよ!!

STORY
ストーリー

作・演出:野田秀樹
英語翻案:ウィル・シャープ
これは、父、母、娘の三人家族の物語。
その夜、三人はそれぞれ絶対に
外出しなくてはならない理由があった。
しかし、飼い犬が出産間近とあって、
誰かが家に残り、
面倒を見なくてはならない。
嘘、裏切り、あの手この手を使って、
それぞれが他の二人をあざむき、
なんとか家を抜け出そうとする。
やがてそれぞれの「信じるもの」が明らかにされ、
互いの中傷、非難、不寛容が、
事態を思わぬ方向へと導いていく。
果たして彼ら三人に、
救いはもたらされるのか?

CAST
キャスト

Kathryn Hunter
PROFILE
キャサリン・ハンター
Kathryn Hunter
出演(父)
Glyn Pritchard
PROFILE
グリン・プリチャード
Glyn Pritchard
出演(娘)
Hideki Noda
PROFILE
野田秀樹
Hideki Noda
作・演出・出演(母)
演奏
Denzaemon Tanaka Xlll
PROFILE
田中傳左衛門
Denzaemon Tanaka Xlll
作調・演奏
イヤホンガイド
吹替えキャスト
Shinobu Otake
COMMENT
大竹しのぶ
Shinobu Otake
(父)
Sadawo Abe
COMMENT
阿部サダヲ
Sadawo Abe
(娘)
Hideki Noda
COMMENT
野田秀樹
Hideki Noda
(母)
英 語 翻 案
Will Sharpe
PROFILE
ウィル・シャープ
Will Sharpe
翻案

MESSAGE
メッセージ

PLAY
野田秀樹
ウィル・シャープ
PLAY
ウィル・シャープ

キャサリン・ハンター
PLAY
キャサリン・ハンター
グリン・プリチャード
PLAY
グリン・プリチャード

SCHEDULE
スケジュール

TICKETS
チケット

【チケット料金】
全席指定・税込
一般
6,000
65歳
以 上
5,000

25歳
以 下
3,000
高校生
割 引
1,000
〈プレビュー公演〉
一般
5,000
65歳
以 上
4,000
25歳
以 下
2,500
※未就学児はご入場いただけません。
※65歳以上、25歳以下、高校生割引チケットは、
劇場ボックスオフィスにて前売のみ取扱い。(枚数限定・要証明書)
※中学生以下の方も高校生割引チケットをご購入いただけます。
※障害をお持ちの方:割引料金にてご観劇いただけます。
詳しくは、劇場ボックスオフィスまで。(要事前予約)
※公演情報等につきましては、
変更が生じる場合がございますので、
ご了承ください。
チケット取扱
【追加席発売決定!】ステージプラン決定に伴い、
追加席の販売が決定いたしました。
★追加席販売開始:10月14日(土)10:00~
※一般(6,000円/プレビュー5,000円)
【東京芸術劇場ボックスオフィス】
〈電話〉
0570-010-296
(休館日を除く10:00~19:00)
※一部携帯電話、PHS、IP電話からは、
ご利用いただけません。

〈窓口〉
営業時間:休館日を除く10:00~19:00

〈WEB〉
http://www.geigeki.jp/t/ (PC)
http://www.geigeki.jp/i/t/ (携帯)
※24時間受付(メンテナンスの時間を除く)
その他プレイガイド
<チケットぴあ>
0570-02-9999
(24時間・音声自動応答 Pコード:458-752)
※一部携帯電話、PHS、IP電話からは、
ご利用いただけません。
http://w.pia.jp/t/omote-e/
各チケットぴあ店舗、サークルK・サンクス、
セブン-イレブン

<ローソンチケット>
0570-000-407
(オペレーター対応10:00~20:00)
0570-084-003
(音声自動応答 Lコード:32574)
http://l-tike.com/ogb
ローソン、ミニストップ店内 Loppi

<e+>
http://eplus.jp/omote-e/

STAFF
スタッフ

作・演出:野田秀樹
英語翻案:ウィル・シャープ
美術:堀尾幸男
照明:クリストフ・ワーグナー
衣裳:ひびのこづえ
作調:田中傳左衛門
サウンドデザイン:原摩利彦
音響:藤本純子
ヘアメイク:赤松絵利
バック・トランスレーション:常田景子 ピーター・マーシュ
演出助手:ラガ・ダール・ヨハンセン
プロダクション・マネージャー:ニック・ファーガソン
主催:
東京芸術劇場
アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)
企画・制作協力:NODA・MAP
本プログラムは東京芸術祭2017の一環として開催されます。

ACCESS
アクセス

〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-8-1
電話 03-5391-2111(代) FAX 03-5391-2215
<受付時間>9:00~22:00(休館日を除く)

JR・東京メトロ・東武東上線・西武池袋線
池袋駅西口より徒歩2分。駅地下通路2b出口と
直結しています。

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PROFILE
キャサリン・ハンター Kathryn Hunter 出演(父)
英国の女優、演出家。受賞歴多数。
RADA (王立演劇学校)で演技を学ぶ。現在はRADAのアソシエート・ディレクターとして学生を演出・指導している。舞台では、特にフィジカルシアター方面での活動が際立ち、シェアード・エクスペリエンスやサイモン・マクバーニーのテアトル・ド・コンプリシテといった評価の高いカンパニーの作品に出演している。1990年にはデュレンマット作『老貴婦人の帰還』での大富豪の老貴婦人の演技でオリビエ賞を受賞。
ハンターは英国において『リア王』のタイトルロールを演じた初めての女優であり、他にも『THE BEE』でのサラリーマン役をはじめ数々の男性役を演じている。2008年にはロイヤル・シェイクスピア・カンパニー(RSC)の芸術監督アソシエートとなり、2009 年には『オセロー』を演出(国内ツアー)、2010年には『アントニーとクレオパトラ』のクレオパトラ、『リア王』の道化で出演した。他には、ピーター・ブルック演出の『フラグメンツ』(ベケットの短編のコラージュ)、『驚愕の谷』に出演して世界をツアー、ロベール・ルパージュのカード4部作『ハート』、ジュリー・テイモア演出の『夏の夜の夢』のパック役など、現代をリードする世界的大物演出家の作品への出演多数。自らのプロジェクトとしては、ヤング・ヴィック・シアターで一人芝居『カフカズ・モンキー』を2009年から上演。野田秀樹とは『THEBEE』の2006年ソーホー・シアター初演以来、2012-13の世界ツアーに参加、『THE DIVER』のソーホー・シアター公演にも主演している。
PROFILE
グリン・プリチャード Glyn Pritchard 出演(娘)
プリチャードはリージェント・パークの野外劇場での『夏の夜の夢』でプロの俳優としてデビュー、翌年トニー・ロバートソンの演出により同劇場で『十二夜』にも出演し、中東をツアーした。主な舞台への出演はロイヤル・コート・シアター『トウォット』、TheatrGenedlaetholCymru『Blodeuwedd』、ナショナル・シアターウェールズ『ダーク・フィロソファー』ナショナル・シアター『ブラック・アルバム』、『ゲットー』(ニコラス・ハイトナー演出)、『フエンテオベフーナ』(デクラン・ドネラン演出)、『バーソロミュー・フェア』(リチャード・エア演出)、ランカスター・デューク『アンダーミルクウッド』、『ブルーリメンバードヒルズ』、『クリスマス・キャロル』、ヤング・ヴィック・シアター『リア王』(コーンウォール役)、RSC『オセロー』(キャサリン・ハンター演出)、マンチェスター ロイヤル・エクスチェンジ『フィガロの結婚』、ラルコラ『ファミリー・アフェアー』。野田作品は『THE BEE』『THE DIVER』に出演。テレビ、映画への出演も多数。
PROFILE
野田秀樹 Hideki Noda 作・演出・出演(母)
1955年長崎県生まれ。劇作家・演出家・役者。2009年より、東京芸術劇場芸術監督に就任。多摩美術大学教授。
東京大学在学中に劇団夢の遊眠社を結成。数々の作品を発表し、高い評価を得る。1992年に、劇団を解散し、ロンドンに留学。
帰国後、NODA・MAPを設立し、『キル』『パンドラの鐘』『オイル』『赤鬼』『THE BEE』『エッグ』『足跡姫~時代錯誤冬幽霊~』など、時代に杭を穿つ作品を数多く発表し、社会に影響を与え続けている。その活動は国内にとどまらず『赤鬼』を英国人俳優とのコラボレーション作品『RED DEMON』(ヤング・ヴィック・シアター)として上演。また、同作品は、タイやソウルでも、現地のキャストとの創作・上演を行い、その高い評価は、現地の演劇を大きく牽引する役割を果たす。その後、現在も続く両国との、野田作品の国際共同制作に繋がっている。さらには、全編を自身が英語で書き下ろした『THE BEE』『THE DIVER』(ソーホー・シアター)を発表。2012年から2014年にかけ、『THE BEE』English versionを世界10都市にて上演し、ロンドンをはじめ、ニューヨークやイスラエルなど、世界各地で大きな衝撃を観客に与えた。ジャンルを超えた創作としては、十八代目中村勘三郎とタッグを組み、古典作品を独自に脚色した『野田版 研辰の討たれ』『野田版 鼠小僧』や、オペラ『アイーダ』を歌舞伎として作り上げた『野田版 愛陀姫』などの斬新な作品を発表し、歌舞伎の世界に新風を巻き起こした。さらなる活動として、2020年のオリピックを見据え、日本を文化の面でも大きく盛り上げていくため、2015年より『東京キャラバン』の総監修を務め、「人と人が交わるところに文化が生まれる」をコンセプトとした文化サーカスを日本各地で展開。コンセプトに賛同する多種多様なアーティスト、伝統芸能などジャンルを超えた表現者と創作を行い、2016年はオリンピックに沸く、リオ・デ・ジャネイロ、仙台、福島、六本木アートナイトなどで、文化「混流」による独自のパフォーマンスを創作、発表し多くの観客を魅了した。2017年、8月、新作納涼歌舞伎『野田版 桜の森の満開の下』を上演。9月、世界遺産・二条城にて「東京キャラバンin京都」を開催するなど、表現のジャンル、国境を超え、精力的な創作活動を予定している。
PROFILE
田中傳左衛門 Denzaemon Tanaka Xlll 作調・演奏
歌舞伎囃子田中流十三世家元。1976 年生。5 歳で能楽囃子と邦楽囃子、能楽の子方の初舞台を踏む。歌舞伎には 1990 年から出演し、坂東玉三郎『保名』にて歌舞伎史上最年少の 16 歳で立鼓に就任。7 代目田中源助の名跡を経て、2004 年歌舞伎座、坂東玉三郎『茨木』にて 13 世傳左衛門を襲名。2006 年囃子部長に就任し、2013 年第五期歌舞伎座開場式では『一番太鼓の儀』を催行し、『寿式三番叟』の囃子頭取を勤める。古典歌舞伎のみならず、18 代目中村勘三郎主演の新作歌舞伎の作調・演奏を多く手掛け、野田秀樹作・演出の歌舞伎三部作と最新作『野田版桜の森の満開の下』にも参加している。蜷川幸雄演出作品の邦楽監修や、野田秀樹作演出の08 年『THE DIVER』ロンドンバージョン、09 年『ザ・ダイバー』日本版、11 年『南へ』17 年『足跡姫』の作調・演奏を手がける。歌舞伎囃子協会会長。重要無形文化財「歌舞伎」「長唄」総合指定保持者。
COMMENT
大竹しのぶ Shinobu Otake (父)
1974年「ボクは女学生」の一般公募でドラマ出演。
そして、1975年 映画「青春の門 -筑豊編-」ヒロイン役で本格的デビュー。
その鮮烈さは天性の演技力と称賛され、同年、朝の連続ドラマ小説「水色の時」に出演し、国民的ヒロインと
なる。以降、気鋭の舞台演出家、映画監督の作品には欠かせない女優として圧倒的な存在感は常に注目を集め、
映画、舞台、TVドラマ、音楽等ジャンルにとらわれず才能を発揮し、話題作に相次いで出演。
作品毎に未知を楽しむ豊かな表現力は、主要な演劇賞を数々受賞して評価されると共に、世代を超えて支持され続けている名実ともに日本を代表する女優。
オフィシャルHP http://otake-shinobu.com/

久しぶりの野田秀樹さんの作品に、ワクワクしています。
そして、大好きな阿部サダヲさん、大好きな友人の勘三郎さんが演じた、大好きなキャサリン・ハンターの吹き替えなんて・・・。
キャー、どうしましょう!
キャサリンに寄り添えるよう、尚かつ、きちんと台詞が届けられるよう、精一杯頑張ります。
COMMENT
阿部サダヲ Sadawo Abe (娘)
1970年4月23日生まれ。千葉県出身。92年より大人計画に参加。以降、舞台、TVドラマ、映画と幅広いフィールドにおいて活躍している。07年には映画『舞妓Haaaan!!!』で初主演を飾り、第31回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞。11年には民放ドラマ初主演となった『マルモのおきて』(CX)が社会現象になるほどの人気を博した。また、パンクコントバンド“グループ魂”のボーカル・破壊としても活動している。
<近年の主な出演作>映画:『殿、利息でござる!』(16年)、『ジヌよさらば~かむろば村へ~』(15年)、『寄生獣』シリーズ(声の出演、14~15年)、TVドラマ:『下剋上受験』(17年・TBS)、『おんな城主 直虎』(17年・NHK)、ドラマスペシャル『狙撃』(16年・EX)、舞台:劇団☆新感線『髑髏城の七人season鳥』(17年)、『ゴーゴーボーイズ ゴーゴーヘブン』、NODA・MAP『逆鱗』(16年)、『シダの群れ 第三弾 港の女歌手編』(13年)など。今後は、映画『彼女がその名を知らない鳥たち』(10月28日公開)、2019年大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』などがある。

舞台の吹き替えって初めてだし、しのぶさんと野田さんとの掛け合いのお芝居なんてなかなか経験出来なそうだし、どんな感じになるんでしょうか?楽しみです。頑張ります!
COMMENT
野田秀樹 Hideki Noda (母)
今回は女性であるキャサリン・ハンターが父役を、男性であるグリン・プリチャードが娘役を、僕が母役を演じます。これまでの英語劇もそうでしたが、原本(日本語版)の芝居をなぞるつもりはありません。台詞も全く変わるので、新たな面白さと出会うつもりで観に来ていただきたい。ボイスオーバーには大竹しのぶさんと阿部サダヲさんという贅沢なキャストが実現しました。頼んでみるもんですね(笑)。パニックに陥った人間の行動心理を、イギリス人俳優の二人がどう解釈して演じるのか。楽しみにしてください。
PROFILE
ウィル・シャープ Will Sharpe 翻案
ウィル・シャープは日本人と英国人のハーフで作家・演出家・俳優。
現在は、2016年に英国の公共テレビチャンネル4で放映されて賞を受賞した『Flowers』のセカンド・シーズンを執筆中である。シャープ氏が作・演出した『Flowers』全6話は一週間放映された。代表作に、共同執筆、共同演出をした『The Darkest Universe』(英国インディペンデント映画賞、ディスカバリー賞にノミネート)、作・共同演出をした『Black Pond』(イブニング・スタンダード賞を受賞、英国アカデミー賞 アウトスタンディング・デビュー ノミネート)がある。2012年には、バラエティ誌が選ぶヨーロッパにおける注目すべき演出家上位10名に選出された。俳優としては、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーや、英国BBC製作の『シャーロック』、チャンネル4の『Babylon』、BBCの『W1A』などに出演している。
NEWS
2017.10.17
プロダクション・ノート11
キャサリン・ハンター。天才たちのミューズ。

キャサリン・ハンターは、野田の英国での創作に欠かせない存在となった。初めて組んだ作品「THE BEE」は2006年ロンドンのソーホーシアターで初演。筒井康隆の短編をベースに、野田と英国人作家のコリン・ティーバンが創り上げた台本は、ダークな笑いのうちに観客を恐怖のジェットコースターに乗せた。ゴムひもや割り箸といった身近な小物を蕎麦、犯罪現場のロープ、指などに見立て、肉体を駆使して観客の想像力を挑発する野田演出をキャサリンは素晴らしく体現した。彼女の演じるサラリーマンが狂気の復讐魔に変わっていく姿はすさまじいインパクトだった。野田の英国における第二作は新聞・雑誌評の絶賛をえて、ソーホーシアターの上演史に残るヒットとなった。翌年、このバージョンと日本人キャスト版が世田谷パブリックシアターで相次いで上演され、その年の演劇賞を総なめしたことは記憶に鮮やかだ。日本の観客の目にキャサリン・ハンターが強く刻まれた。彼女は野田のロンドンでの次作「THE DIVER」(2008)に再び主演。(今回「One Green Bottle」のイヤホンガイドでキャサリンの台詞を吹き替える大竹しのぶは、この「DIVER」でキャサリンが演じた主役の殺人容疑者を 日本キャスト版で演じたというつながり。野田の創作を刺激する東西の大女優の、実演と声の競演が、今回「One Green Bottle」では楽しめるというわけだ。)

野田がほれ込むキャサリン・ハンターとはいったいどういう女優なのか? 英国のRADA(Royal Academy of Dramatic Arts 王立演劇学校)出身、卓越した台詞朗誦の技術を持つ演劇的エリートでありつつ、サイモン・マクバーニーらとすぐれたフィジカル・シアターを創ってきた。デュレンマットの「貴婦人の帰還」で、かつて自分を捨てた男に復讐を果たす大富豪の女性を演じてオリビエ賞を受賞。映画では、ハリー・ポッターシリーズにも出演、また、あの「ライオン・キング」の演出家ジュリー・テイモアによる「夏の夜の夢」では、年齢性別不詳のパックを演じたが、この舞台は映像化されているので、これらは皆さんも御覧になれるかと。

特異な風貌と声、変幻自在の演技力、圧倒的な身体性など、他のどの俳優にもかえがたい存在である彼女に、世界の巨匠たちからのラヴコールも絶え間ない。ピーター・ブルックはベケット作品のコラージュ「フラグメンツ」と、記憶についての考察「驚愕の谷」で彼女を起用。ロベール・ルパージュは「THE BEE」をNYで二度も見に来て、彼女を自作「カード」4部作の一つ「ハート」に出演してくれるよう口説き落とした。ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーでアソシエート・ディレクターに名を連ねたこともある彼女は、英国において「リア王」のリアの役を演じた初めての女優でもあるなど、そのキャリアは野心に満ちている。そんな彼女にとって、野田とはどういう存在なのか・・・?それは明日のこのコラムで。

2017.10.14
プロダクションノート10
野田とキャサリンのはじまり

野田秀樹が国際的な創作をするようになったきっかけとしては、夢の遊眠社時代の海外公演があげられる。1987年に英国はエジンバラ国際フェスティバル、翌年にはニューヨークはBAM(プルックリン・アカデミー・オブ・ミュージック)と、世界の檜舞台で相次いで公演を行った。現地では大好評を博したが、野田にとっては自らのクリエイションを問い直す契機となった。海外のカンパニーが日本で公演をする際にも同様のことが起こるが、字幕やイヤフォンガイドでの上演では、言語の構造や語順の違いなどから、舞台上で話されている台詞と訳語の間にどうしても時差が生じる。「ここで笑い」という原語のタイミングと、実際のリアクションがずれるため、演じている人は観客が台詞を聞いて笑ってくれているという手ごたえを得にくい。確かに異なる言語で一語一語完全に伝わるかというと、難しいところもあるだろう。しかも日本語は英語のように世界で通用する言葉ではない。野田は1992年-1993年に英国に留学するが、人気の絶頂で劇団を解散するのみならず、言葉の天才が母語を離れて創作するという、全く新しいステップを踏み出すこととなった。
英国に渡った野田は、積極的にさまざまなワークショップに参加したという。まだ英語がそれほど流暢ではなく、コミュニケーションに苦労はしながらも、抜群の身体能力から繰り出される表現は注目を集めたようだ。この留学を通じて懇意になったアーティスト仲間が、「コンブリシテ」(「共犯者」という意味!)というカンパニーの創立メンバーであるサイモン・マクバーニー、マルチェロ・マーニ、メンバーであったリロ・バウワーらだった。

マルチェロは野田作「障子の国のティンカーベル」の東京芸術劇場での上演の演出をてがけ、マルチェロもリロもワークショップで日本の俳優を指導するなど、芸術監督となった野田が今も交流を続け、信頼するアーティストたちだ。

マルチェロは、留学を経た野田が初めてロンドンで、現地の俳優たちと創作し、2003年にヤング・ヴィック劇場で上演された「Red Demon」(「赤鬼」の英語上演)の出演者に名を連ねている。初めての英語での上演を現地で行うにあたり、野田は、自らキャスティング、劇場や資金の確保と、プロデューサー的に奔走した。コンブリシテなどで傑出した実力を発揮する名女優キャサリン・ハンターにも出演を打診したが、諸事情から叶わなかったという。この初挑戦を手厳しく迎えた劇評もあり、野田にとっては順風満帆のスタートではなかったらしい。しかし、パートナーのマルチェロが出演するこの「Red Demon」を見たキャサリンは野田に、「私はあなたの舞台に出るべきだった。」と謝ったという。次は必ず出演するというキャサリンの約束が果たされたのが、あの傑作「THE BEE」だったのだ。

2017.10.13
プロダクションノート ⑨
NTスタジオでのプレゼンテーション

5月のワークショップの日程はわずか5日間ほどだった。実質3日間の立ち稽古で、ほぼ全幕をプレゼンしようという無茶なミッション。朝は9時から、スタジオが開くのも待ち遠しく稽古を開始した。百戦練磨の三人が、ランチの休憩のときにもうわごとのように台詞をつぶやいている様は、かなりのプレッシャーがかかっていることを推し量らせた。プレゼン当日、これまでのこのチームの作品の実績から、新作に関心を持ってくださる方は多く、ナショナル、ヤング・ヴィック、ソーホー、スコットランドナショナルといった英国名門劇場のブッキング担当、キャストの演劇関係の知人などが詰めかけた。中にはなんとロベール・ルパージュさんのお顔も。(野田とは親交があり、キャサリンもその舞台に出演している世界的演出家。シルク・ド・ソレイユの「KA」「トーテム」などで演劇ファンならずともその名前を耳にしたことがあるのではないか。丁度 一人芝居「887」をロンドンで公演中だったのだ。)総勢30名ほどの観客を前に、プレゼンは始まった。田中傳左衛門の太鼓の音が不思議な作品世界へ一気に観客を誘う。野田作品の真骨頂ともいえるフィジカルな表現、ウィルの英語の台詞のユーモアが、多いに観客を笑わせる。ウィルもうれしそうに笑っている。終盤の、悲劇がきりきりと深まっていくくだりはリーディングで披露。1時間強のプレゼンが終わり、汗ダクダクのキャストは拍手で迎えられた。またまだ粗削りだったが、この時点でかなり楽しんでいただけたようだ。お客様と歓談し、感想を伺う三人の顔は安堵でほころんでいる。プロの観客ならではの質問も活発に頂いた。ワークショップ全メニュー終了し、次は東京での再会を期して、ヤングヴィックの1Fのカフェでお疲れ様の乾杯をした。

2017.10.12
プロダクションノート⑧ワークショップ2017 ピープルズ・ショウ、そしてNTスタジオ

今年4月、1年ぶりにワークショップがロンドンで行われた。再び、あの「THE BEE」が生まれた、野田いわく“ゲンの良い”ピープルズ・ショウのスタジオだ。野田とウィルが練り上げた台本を試してみる。大きな前進。新たな、明らかな手ごたえを野田も、キャサリンも、グリンも感じた。それまでは、今年秋の日本と韓国での公演は決まっていたものの、その成果をみて、更に手直しをしてからその先のツアーを決めようという腹づもりだった(制作)のだが、そんなに寝かせておくのはもったいない、これは即座にGOだ!という機運がにわかに高まった。9月からの日本での稽古に備えて、5月の末に再度ロンドンでワークショップを行うというスケジュールを組んでいたが、このワークショップでロンドンの劇場関係者に対するプレゼンテーションを行い、できれば来年にも英国公演を実現できないだろうか!!

5月のワークショップは、ヤング・ヴィック・シアターやオールド・ヴィック・シアターが並ぶ「ザ・カット」と呼ばれる通りに建つナショナル・シアター・スタジオで行われた。

長らく野田の海外公演の技術監督を務めるニック・ファーガソンの紹介で、あの、世界に冠たるナショナル・シアターが、これから上演するかもしれない候補作のワークショップや稽古を行ういわば“新作開発基地”のようなスタジオを無料で使わせて下さることになったのだ!スタジオスタッフの皆さんは、ちょっとした小道具が欲しくて探しているとすぐにどこかから見つけ出してきて下さり、壁や幕がここにほしいが工具がないし、と困っていると、快くしつらえを整えて下さった。ものをゼロから創るということに対する手厚い支援の姿勢に英国演劇の底力を見て心から尊敬した。

2017.10.11
プロダクションノート⑦
野田秀樹とウィル・シャープの台本執筆作業

野田とウィルは、すぐに打ち解けて、台本の作業に突入していった。打合せをしながら、くっくっと含み笑いをしたり、二人でおなかを抱えてゲラゲラ笑ったり…それは子供部屋から聞こえてくる、男の子たちの笑い声のようで…二人は互いの思いもよらないアイディアに、それぞれの新しい提案をぶつけ、心から楽しそうに言葉と戯れていた。

野田とウィルは、この「笑い」に関する感性が共鳴したようだ。野田の作品は、かなり悲惨な結末を迎えるものでさえ、笑いに満ちている。言葉遊びの無邪気な笑い、ナンセンスな笑い、ブラックな笑いと、さまざまな笑いに乗せられながら、気がつくと観客はかなりな深みにはまっている。ウィルのTVドラマ「フラワーズ」は英国人好みのダークな笑いに溢れていたようだ。ウィルは一方で、日本のバラエティ番組の笑いのセンスが大好きで、日本に帰省してテレビを見るのが楽しみなのだとか。「笑っていいとも」が終わってしまったことを残念がっていた。

今回のこの舞台は、どの程度オリジナルの「表に出ろいっ!」を踏まえるのか?人物の設定や細かいエピソードはそのままにするのか?英国はじめ世界のさまざまな国での上演を最初から目指すにあたり どの程度「日本」を作品の中で生かすのか?…英語版を作るにあたり、当初から懸案となっていたこれらの点についても、二人は議論を重ねた。打合せをすると、すぐさまウィルはそれを台本の直しに反映させた。書いては書き直し、が急ピッチで進み、ウィルの帰国後も二人はやりとりを続けた。その成果は、ぜひ実際の上演舞台でご確認頂きたい。

タイトルについても、当初「表に出ろいっ!」を直訳した「Step Outside!」を仮題としていたが、ほぼ上演台本が固まった時点で、野田が「One Green Bottleはどう?」と提案した。ちなみにこれは英国でよく知られる数え歌の題名。実際の上演で、それがどこにどう出てくるのかも、お楽しみに!

2017.10.10
【追加席発売決定!】



ステージプラン決定に伴い、急遽追加席の販売が決定いたしました。

★追加席販売開始:10月14日(土)10:00~ 

※一般(6,000円/プレビュー5,000円

この機会をお見逃しなく!

2017.10.10
プロダクションノート⑥
ウィル・シャープ in Tokyo

17年1月、台本の英語翻案を担当することになったウィル・シャープが来日した。お母さんの実家がある東京には何度も来ているが、日本で仕事をするのはほぼ初めて。

まずは、初日あけてまもないNODA MAPの「足跡姫」を見てもらう。野田作品「THE BEE English Version」と「表に出ろいっ!」、小ぶりな2作品のDVDを見て予習していたウィルだが、それらとは対照的にスケールの大きい、見事なアンサンブルワークでみせる華やかな「足跡姫」には圧倒された面持ちだ。楽屋に野田を訪ねて、初対面のご挨拶。

東京滞在の10日ほどの間に「表に出ろいっ!」の作品内容に関連する日本のさまざまなものを見て頂こうと計画した。歌舞伎、能、男性アイドルグループのコンサート、ディズニーランド…ディズニーだけは既に経験済とのことだったが、その他は未体験のウィル。歌舞伎はイヤフォンガイドで大いに楽しみ、田中傳左衛門さんを舞台裏にお訪ねした。

 野田との打合せは「足跡姫」本番をぬって行われた。初日、劇場内の小部屋での打合せは、ちょっと緊張した感じで始まった。自分の半分ほどの年齢のウィルを気遣い、しばらく四方山話をした後で「どんな感じで始める?」「今日は、今後 どうやっていくか、確認だけしようか?」と話しかける野田に、ウィルがおずおずと「あの~もしよかったら…僕の考えてきたことをちょっと聞いてもらってもいいですか?」といって、ロンドンでキャサリンと打合せをした時のように、きちんと予習をしてきたノートを開く…!たちまち、二人の間には言葉があふれだした。ウィルもケンブリッジ大学出身とあって、二人のとても頭の回転の速い人たちの速射砲的会話に、制作チーム たちまち振り落されてしまいました…。

2017.10.09
プロダクション・ノート⑤ウィル・シャープさんとの出会い

クレールが「今放送されているドラマで、びっくりするくらい面白いのがあって、それを書いて監督しているのが日英ハーフの若者なんだけど、この人はちょっと天才かもと思う。」と言う。名だたるクリエイターのプロデュースをしているクレールがそこまで絶賛するとは…そして、日本とのハーフというのは今回まさしく理想的、と思い、詳しく教えてもらうことにする。その人はウィル・シャープさん。30歳の新鋭だ。クレールの見ていたドラマ「フラワーズ」はイギリスのチャンネル4が彼を大抜擢し、2016年の春に6回シリーズで放送したもの。かなり壊れたフラワーズ家…絵本作家の父、主婦の母、ひきこもりのオタク息子、パンクな娘…の崩壊と再生の物語…こう聞いただけで「表に出ろいっ!」の世界にばっちりはまりそうではないか?早速マネージャーさんに連絡をとると「祖父母と母の国だけにいつか日本と仕事をしてみたいと本人も思っていた」ということで好感触。こちらの資料を送り、あちらからは「フラワーズ」を送ってもらう。それを見たキャサリンとグリンからは「彼をつかまえて!」と。そのユーモアセンス、言葉の切れ味、物語の運びの意外さと巧みさなど、只者ではない才気を感じたようだ。一方ウィルはお母さんに野田のことを質問したら、ちゃんと知っていていろいろと説明されたらしい。11月、制作がロンドンに飛び、キャサリンと共にウィルと会う。和顔のナイスガイだ。日本語も話せるが漢字は読めないという。17年に控えている「フラワーズ」シーズン2などとの調整がつけば、やってみたいといって、早くもいろいろなアイディアをノートに書きつけていた。マネージャーさんとスケジュールをやりくりして引き受けて頂くことに。まずは17年1月、野田が「足跡姫」の初日をあけてすぐに、ウィルが来日して野田と打合せを行うこととなった。

2017.10.08
プロダクションノート④
2016 ワークショップ・・・残った課題

2016年ロンドンでのワークショップでは、キャサリン、グリン、野田が3つの役をシャッフルしながら演じてみた。最終的に父をキャサリン、母を野田、娘をグリンが演じる、完全なるジェンダー逆転キャスティングが一番ぴったり来るという結論になった。トライアルを経て、少しずつ輪郭は見えてきた。しかし、台本に関してはまだ、心配な点があった。この作品は、2010年に芸劇で上演された「表に出ろいっ!」に基づいている。ワークショップには野田の日本語台本のニュートラルな英訳を使っていたのだが、どうも野田の日本語の台詞の持つ躍動感や切れ味が伝わりにくいようなのだ。これまで、野田による英語の戯曲は「Red Demon」(「赤鬼」の英語版)、「THE BEE」「THE DIVER」がある。最初から英語で書かれた「THE BEE」「THE DIVER」に関しては、英国の劇作家コリン・ティーバンと共に作った。今回も、日本語台本の英訳というにとどまらない、作家的な作業が必要なのではないかと思われた。しかしティーバン氏は舞台、映像でますます活躍されており今回はスケジュール的に引き受けて頂くのが難しいとのこと。困った。こんな時に頼りにするのは、野田作品の海外上演を支えて下さっている二人のプロデューサ-、三原英二さんとクレール・ベジャナンさんだ。三原さんは20世紀を代表する大振付家モーリス・ベジャール氏の右腕として20世紀バレエ団の世界ツアーに同行なさっていた方で現在は英国をベースに活躍中。クレールさんはフランス人で、様々な国の著名アーティストの作品の世界ツアーを手がけておられる。お二人は2012年の「THE BEE」ロンドン公演の際にパリ国立シャイヨ―劇場の芸術監督を野田と引き合わせ、パリはじめヨーロッパの都市へのツアーの道を拓いて下さった。海外での公演に関して、困ったことや分らないことがあると駈け込んでしまう。今回も「野田さんと英語の台本を作ってくれる作家が…」とぼやいていると、クレールさんが「そういえば、ちょっと面白い人、最近みつけたんだけど。」と言う。それが、ウィル・シャープという青年だった。

2017.10.07
プロダクションノート③ワークショップ 2016 ポラードロウ、

続くワークショップは16年の春、ロンドンで行われた。市内東部のアラブ系住民の多い住
宅地にあるピープルズ・ショウというスタジオだ。ここは、「THE BEE」初演・2012年公
演の際にも野田が稽古場として通った場所。あの名作を生み出した”ゲンの良い”場所な
のだ。キャサリン・ハンター、グリン・プリチャード(『THE BEE』で下品な警官・脱獄囚
・その幼い息子を瞬時に演じ分けた実力派。『THE DIVER』にも出演。)、そして野田の三
人。加えて、なんと休暇でロンドンを訪れていた歌舞伎囃子方・田中流十三世家元、田中
傳左衛門さんのお顔も。稽古をご覧になりながら、いいタイミングで音を入れてくださる
傳左衛門さん。たちまち、作品の世界感が広がる!!傳左衛門さんは『THE DIVER』にも参加
なさっている。キャサリンが、「傳左衛門は、今回出演できないの??」と懇願の面持ちで
訴えかける。超多忙の傳左衛門さんのスケジュールを頂くことができるのかどうかは難題
だったが、ご出演いただけるなら…作品が一歩具体的に立ち上がる音が聞こえた。傳左衛
門さんのいらっしゃった日、スタジオに羽虫が一匹ふらりと入ってきて、そのまま稽古の
間中ずーっと、なんだか見守るように飛んでいた。傳左衛門さん、ぽろりと「あれは、ひ
ょっとして勘三郎さんなのかな。」と。激務の合間のつかのまのロンドンのオフ、傳左衛
門さんをあのスタジオに連れてきてくださったのは、勘三郎さんだったのかもしれない。

2017.10.06
プロダクションノート②始まり。「ザ・ビー」から「表に出ろいっ!」へ。日本でのワークショップ 2015

英国が世界に誇る名女優キャサリン・ハンターと野田秀樹が初めて一緒に創った作品が、
「THE BEE」だ。脱獄囚に家族を人質にとられたサラリーマンが、逆に脱獄囚の家族を人質にとって立てこもる。マスメディアも巻き込んだかけひきは次第にエスカレートし…2001年9.11のテロに発想を得て、復讐の連鎖と他者への不寛容を描いたこの作品は2006年にロンドンのソーホーシアターで初演。爆笑の後に走る戦慄。圧倒的なクオリティとインパクトに観客は完全にノックアウトされた。翌年「THE BEE」は東京で、日本版との同時上演を果たす。堅い信頼関係で結ばれたキャサリンと野田は、続いて『THE DIVER』を2008年に上演。今度は源氏物語に題材をとったサイコサスペンスだ。その後、2012年から14年、「THE BEE」の世界10ケ国ワールドツアーを共にする中で、野田とキャサリンは次作の構想を練っていた。いくつかの題材、作品を検討する中から立ち上がってきたのが、野田と十八代目中村勘三郎の「表に出ろいっ!」の英語版を創るというアイディアだった。2015年の夏、東京に「THE BEE」のキャストメンバーが結集し、最初の『表に出ろいっ!』ワークショップが行われた。

ディズニーランドに熱狂する能楽師の父、アイドルグループに熱狂する母、新興宗教にのめる娘…飼い犬が今にも出産しそうなある夜、それぞれの理由で外出したい三人は留守番を押し付けあい、ついには互いをがんじがらめに…。最初のワークショップでは、日本版のストレートな英訳を元に台本を検証した。配役はどうする?犬を実際に俳優が演じたらどうなる?…さまざまな可能性が俎上にのせられた一週間。手ごたえはあった。しかし、その後の道のりは短くはなかった…。 

2017.10.05
プロダクションノート①「始まります」のご挨拶

野田秀樹が、演劇的な同志ともいえる英国の名優 キャサリン・ハンター、グリン・プリチャードと創る新作「One Green Bottle ~表に出ろいっ! English Version~」。

11月1日の初日に向けてキャストとスタッフが来日。稽古は連日、快調に進んでいる。

この作品は、『THE BEE』『THE DIVER』に続く野田とキャサリン、グリンの創作。(英語上演)。1992-3年の英国留学以来野田が海外の俳優・スタッフと積み重ねてきたさまざまにユニークな国際プロジェクトの9年ぶりの最新作だ。今年の秋に東京とソウルで初演の後、来年春にはロンドンおよびヨーロッパのフェスティバルでの上演、その後 世界へ向けての発信を計画している。この英語上演の元になっているのは、2010年にシアターイーストで上演された『表に出ろいっ!』。野田の盟友である歌舞伎俳優、故十八代目中村勘三郎と野田の、最初で最後の競演となった。野田にとって特別な思いのこもる作品を 新たに英国の仲間たちとリメイクし、世界に向けて発信することになる。さらに、通常日本では英語上演の舞台は字幕つきで上演されることが多いところ、より作品を身近に楽しんで頂きたいという野田の思いから、イヤフォンガイドによる上演とし、吹き替えをなんと大竹しのぶ、阿部サダヲ、そして野田本人が行うという、これ以上にない豪華な顔合わせが実現。

これまでの野田の仕事のさまざまな要素が実を結んで作り出される「One Green Bottle」。このHPでは、ちらしや公演パンフレットでは紹介しきれない、さまざまなエピソードや、こぼれ話などを日々お知らせしていきたい。どうぞ、よろしくおつきあいくださいませ。

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皆様から作品へのコメントをお寄せいただきました。
※敬称略 最新順
私はOne Green Bottleをとても楽しみにしています。私の親しい友人で共犯者とも言える秀樹は、歴史的ファンタジーの傑作の数々で知られていますが、家族の混乱を描く小規模な彼の悲喜劇でも素晴らしい手腕を発揮します。「THE BEE」がまさしくそうでした。個性あふれる、創造力豊かな仲間であるキャサリン・ハンターとグリン・プリチャードとのカンパニーであるこのOne Green Bottleで、秀樹がいつものように演劇的な魔法に私たちをかけてくれることは間違いないでしょう。そして、一本の緑の瓶が壁から落ちる時、この作品は真のスマッシュヒットとなることでしょう!
ジョン・ケアード
初めて野田秀樹の作品に接した時、私は即座に、彼は現代演劇における詩人だと感じました。日本での具体的な経験を世界で起こっている大きなことへと翻訳する彼の能力は極めて傑出したものです。彼の演劇はサミュエル・ベケットやアウグスト・ストリンドベリの魔法を取り入れているのではないかと思うこともあります。が、それ以上に、彼は野田秀樹という魔法そのものなのだと思います。彼の描き出す光景はしばしば残酷な美しさを見せます。しかし、そのユーモア、大胆不敵さ、言葉と動きを有機的にマッチさせることに対する責任感が、まさしく現在形の生き生きとした彼の演劇を生み出すのです。彼はまた、言葉と、言葉の歴史に喜々として取り組んでいます。私の意見では、そのことが彼の演劇に、過去と現在を決してセンチメンタルでない、常にリアルなやり方で結びつける力を与えているのです。

野田の革命は、全ての正当な革命がそうであるように、私たちに語りかけてやみません。
私たちの人生の奇妙さこそが、見慣れたクリシェよりもずっと美しいのだということを。
デビット・ルボー

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